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◇ 東部労組ってどんなとこ?
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● はじめに

何十年も会社のために働いてきた人が、ある日突然“リストラ”の名のもとに解雇や希望退職させられたり、親会社のためどんな難題も受け入れてきた中小企業が、突然の発注打ち切りで倒産して、そこで働く従業員が職を失うなど、働くものの生活そのものがおびやかされています。

また、失業をまぬがれたとしても、いつ自分も首を切られるか分からないという不安のもとでの賃下げやボーナスカット、さらに労働基準法を無視した残業強要などの労働強化や有給休暇を認めないなどの権利剥奪(はくだつ)が大手を振ってまかり通っています。

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● 生活は不安定

このように、私たち働くものの生活は不安定で長い年月をかけて築いてきた生活や人生設計を、一瞬にして壊されてしまうのではないかといった不安がつきまとっています。

また、自分自身の健康問題はもちろん、老後の備えに対する不安、住宅ローンの支払いはどうなるか、幼い子供を残して過労死したら……。不安はつのるばかりです。

● 社長にはたよれない

とは言っても、働くものが何か言う前に気前よく給料を上げてくれる会社はありません。経営者は自分たちが生き残るために、犠牲や矛盾を働くものやその家族に押し付けようとするものです。

だからといって、一人で経営者に文句でも言おうものなら、いじめられるのは目に見えています。


● ではどうするか?

泣き言だけでは何も解決しません。そういうときのために、労働組合があるのです。

労働組合というのは長時間過密労働や低賃金、社長のワンマン経営をやめさせて、働くものの意見を尊重した、安心して働きやすい、明るく民主的な職場にするためのものです。

また、会社から不当に解雇された場合などでも、泣き寝入りするのではなく、一人でも労働組合に入って解雇撤回を求め会社と団体交渉をして職場復帰したり、退職金や未払い賃金、慰謝料を確保することもできるのです。

● 組合づくりは労働者の権利

労働者の権利は、世界と日本の労働者の200年以上にわたるたたかいのつみかさねによって、勝ち取ってきたものです。

現在の日本では、憲法の第25条で「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と生存権を保障し、第27条で「すべての国民は勤労の権利を有し、義務を負う」「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」と労働権を保障しています。これに基づいて、労働基準法などの労働者を保護する法律がつくられているのです。

また、第28条では「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」と明記し、労働者が労働組合をつくり、加入し、組合活動を行う権利、つまり団結権、そして経営者の誠実な交渉を義務付けた団体交渉権、さらにストライキなどの争議権を保障しています。その具体化として労働組合法をつくり、これらの権利に反する経営者を不当労働行為として処罰するようにしているのです。

労働組合をつくることは、労働者の当然の権利です。このような、たたかいの成果としての憲法や労働者保護の法律をよく知り、明るい職場をつくるため活かしていきましょう。

● 勇気をもって立ち上がろう

働くものが自分たちの権利を守ろうとするなら、働くものの団結のトリデである労働組合がどうしても必要となるのです。

職場の仲間も心の中ではあなたと同じように労働組合を望み、誰かが声を上げるのを待っているのです。

さあ、勇気をもって立ち上がり、いまの職場を自分たちの力で働きやすい明るい職場に変えるため、職場に労働組合をつくりましょう。


● 組合づくりの実際

前にも述べた通り、労働組合をつくることは労働者の権利です。しかし、労働組合の結成を歓迎する経営者はいないといっていいでしょう。そこで労働組合の結成にあたっては慎重に、十分な準備をして事を運ぶ必要があります。

「労働組合結成の流れ」はこちらをご覧ください。

● 組合づくりの相談は東部労組へ

しかし、職場に労働組合をつくるといっても、はじめてのことでどうしてよいか分からなかったり、不安がつきまとうのは当然です。

労働組合をつくるには、それなりの知識と経験が、そしてあなたの勇気が必要です。

そこで、東部労組では、いままでの組合づくりの経験と知識をいかして、当事者の立場にたって相談にのり、組合づくりからその後の活動まで親身に援助、協力し、最後まで責任を持ちます。

● 労働相談の流れ

また、職場に一人しか従業員がいなかったり、不当に解雇されてしまったり、仲間になってくれそうな同僚がいなくても問題解決の道があります。

東部労組に一人で加入すれば、会社は団体交渉に応じなくてはなりません。また、当事者はもちろん、東部労組の組合員ならだれでも団体交渉に出席してあなたを援護することができるのです。

労働相談から解決までの例はこちらをご覧ください。


● 東部労組とは

 東部労組は1968年12月26日に結成しました。今年(2005年)で、結成37年になります。
 東京の東部地域つまり墨田、葛飾、江東、江戸川、足立、台東、荒川の各区で働く労働者を主な対象とし、企業のワクをこえてつくられ、地域の労働者の利益拡大をめざして活動しています。
 東部労組にはいま、製造業、スーパー、リネンサプライ、建築測量、ビルメン、運送、タクシー、データ入力、ガス工事などいろいろな職種の中小零細企業、または保育園、福祉施設、病院などで働く労働者があつまり、助けあって組合活動をしています。支部は32支部、 組合員はほぼ750名です。

● 一人でも入れる地域の合同労組

つまり、東部労組は業種や職種を問わず、また、正社員、パート、アルバイトの区別なく、おもに東京の東部地域で働く労働者であればだれでも、一人でも入れる地域の労働組合、地域合同労組です。東京都労働委員会の「労働組合資格証明」をうけ、法人にもなっています。

また、中小零細企業の労働組合がそれぞれ専従者(組合活動だけする人)をおくのは財政的にも困難ですが、東部労組ではみんなの組合費によって専従者をおき、組合づくりの相談や、各支部へのアドバイスなど組合活動に専念できるようにしています。

職場で労働組合をつくろうとするとき、一人でまず東部労組に加入して相談し、協力をうけながら少しずつ仲間をふやして、職場で労働組合をつくることができます。また、グループや労働組合で東部労組に加入することもできます。

多くの仲間がもっともっと集まって、東部労組を強くて大きな地域の労働組合にすることは組合員みんなの願いです。


● 東部労組に入るには

労働者であるなら、正社員はもちろんパートでもアルバイトでも、一人でも大勢でも、東部労組の規約に賛同し、組合活動に参加する人はだれでも組合員になれます。また、失業中の人でも加入することができます。

● 組合規約―組合員の権利と義務

東部労組の組合活動はすべて「東部労組規約」にのっとって運営されています。

古い組合員も新しい組合員も平等に同じ権利、義務をもちます。権利は差別されず、すべての問題に参加できることです。義務は、活動方針の実行、決議への参加、組合費納入などです。詳しくは「規約」に書かれています。

● 組合費は?

東部労組の運営は、組合員一人ひとりの納める組合費によってまかなわれています。

組合費は、各組合員の収入に応じて納めています。金額は、前月の賃金総額(いわゆる“手取り”ではなく、“総支給額”)の「1.5パーセント以上」を当月の7日までに納めるようになっています。また、ボーナスも組合費として総支給額の「1.0パーセント以上」を納めるようになっています。

「1.5パーセント以上」とは賃金総額の1.5パーセント(“総支給額”が20万円なら3,000円、30万円なら4,500円)は必ず納め、それ以上は自由意志による自己申告で、納める意志のある人は納めてもらうという組合員の自主性を尊重した制度になっています。

組合費の用途は、大きくは東部労組の目的である「労働者の生活と権利を守ること及びその社会的地位の向上」など必要な諸活動のために使われます。具体的にはそのほかに「未組織労働者の組織化」「政治、学習活動」「他団体との共闘」「組合員の福利厚生」そして組合専従者などの活動費になっています。


● 東部労組の特長

東部労組は各企業ごとの労働組合の集まりではなく、もともと一つの組合(地域合同労組)、一つの団結体です。組合員はどこの会社に勤めていても東部労組の同じ組合員です。そのうえで各企業に東部労組の「支部」をつくって運営しているのです。だからある支部で何かあったときは、企業のワクをこえて、一つの支部のため、一人の組合員のために、みんなで応援することができるのです。

「よってたかって勝利しよう!」が東部労組の合言葉です。

● 東部労組の日常活動

東部労組では年1回、秋に定期大会を開催して、年間方針を決めています。そのほか、火曜日に、執行委員会と支部代表者会議を開き、組合全体と各支部のことを話し合い、決定し、みんなで活動を行なっています。

年間を通して一番大きな活動は、やはり組合員と家族、職場の仲間の生活と権利を守るための春闘、夏と冬の一時金闘争など労働条件の向上をめざす職場での活動です。

そしてもう一つの大きな活動は学習活動です。労働者として正しい認識を持つために、経営者のうそやごまかしに負けないために。自分たちの経験を生かし、正しい理論と結びつけ、闘いに失敗せず、成果を得るために、学習活動を行ないます。組合結成直後や闘争の間に各支部単位の初級労働学校、各支部の執行部以上対象の中級労働学校、そして幹部学校を、それぞれ行なっています。

また、自分たちのことだけでなく、企業での障害者差別・労働者いじめや、分割民営化時に不当解雇され解雇撤回をめざす国労(国鉄労働組合)など地域の労働者、全国の労働組合の闘いの支援に力をいれています。

さらに、東部労組の1年の行事としては、家族ぐるみの新年会、サマーキャンプ、レクリエーションなど福利厚生の活動をおこなって、組合員の親睦、交流を深め、団結を強めています。

そのほか組合の機関紙を毎月発行し、組合員に配布し、活動についての相互理解を進めるようにしています。

組合員の慶弔にあたっては組合の規定(慶弔見舞金規定)にもとづいて祝金または見舞金を支給しています。

● 労働相談センター

東部労組は「未組織の労働者の組織化」の一環として労働相談活動を行っています。NPO法人「労働相談センター」と協力して、解雇や賃金不払いなど地域の労働者の労働、生活、法律、医療などの相談に応じています。

労働相談センターでは次の方々のご協力をいただいています。
  弁護士  五百蔵 洋一
  弁護士  井上  庸一
  弁護士  加藤   晋介
  医 師  平野  敏夫 (ひらの亀戸ひまわり診療所)
  医 師  久保田 哲代 (久保田げんきクリニック)

労働相談を通じて、職場の組合結成についても、結成を成功させるため全力で応援や具体的アドバイスをしています。最後の最後まで親身になって責任を持ちます。


● 全労協の一員として

戦後の労働運動を担ってきた総評のよき伝統を受け継ごうと、1989年に全労協(全国労働組合連絡協議会)が結成され、東部労組も最初から加入してきました。また、91年につくられた東部地域の官公労(公務員労働者)と民間の労働組合や団体の結集した東部全労協にも積極的に参加して活動しています。

東部労組は、全労協に集まる地域と全国の仲間をはじめ「まともな労働運動」をのぞむすべての労組と団結をつよめ、政府と経営者の言いなりになる労働組合ではなく、働くものの利益を守る運動をつくるために努力しています。

● 東部労組の目標

東部労組は93年の定期大会で「東部で一万人、南部で一万人、全国で百万人」の仲間を作る長期方針をかかげました。

私たち中小零細で働く労働者は労働条件一つとっても大企業や公務員とくらべて劣っており、その格差はますます拡大しています。

この中小零細で働く人の多くが団結してできることは何でしょうか?

私たちの代表を区議や都議、国会などに出すことも夢ではなくなります。そして中小零細で働く労働者のための政策立案や法律をつくることができます。

また、東部地域や南部地域に労働会館を建て私たちの活動の拠点にし、多くの専従者をおくこともできます。さらに大勢の団結の力で「よってたかって」多くの争議を解決していくことができます。

しかし、この長期方針の道もあなたの一歩からはじまるのです。

「一人は万人のため、万人は一人のため」

あなたのためにも、働くみんなのためにも、あなたの力が必要です。


● あなたも東部労組に入って生活と権利を守ろう

東部労組のことをおおまかに紹介しましたが、ある程度は分かっていただけたでしょうか。

新しいことをはじめるときは不安があるものですが、「案ずるより産むがやすし」です。いろいろな問題は組合での活動を進める中で解決していきましょう。

自分と家族と仲間の生活と権利を守るため、あなたも東部労組に加入されることを心から呼びかけます。




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Tokyo Tobu Labor Union